印泥(いんでい)の話
日本では印肉とか朱肉とか呼びますので、印泥と言われてもピンとこない方が多いようです。
お習字や水墨画をされている方はご存知のようですが、文字でかいて、その漢字を見ると
判りやすいのですが、音だけでは、なかなか分かり難いようです。
印泥は主に中国製です。印肉は日本製です。本来の目的は、同じですし、もともと中国から
渡来した物でしょうし、言葉の違いだとは思いますが、今日では、
分けて考えたほうがよいような気がします。
一度使って見られた方はお判りだと思いますが、本当に、字の通りで、べたーとして
朱色の泥のようです。日本の印肉はこんなにどろっとしていません。
これは製造方法に違いがあるようです。
印肉がなにで出来ているかというと、朱と油を練り合わせたものです。
朱というのは本来天然の鉱物で硫化水銀です、私も科学的な事は解りませんが、
硫黄と水銀の化合物です。日本では、丹(に)と呼でいる場合が有ります。確か丹生(にゅう)の里という
地名もあったかと思います、昔朱砂が採れていた場所です。今でも採れているのでしょうか?
天然の朱は今では大変高価な物です。
油は主に植物系の油、菜種油などです。その朱と油を印泥の場合、艾の繊維にからませたもの、
印肉の場合は、パンヤ(綿花の繊維)に絡ませたものです。
この艾とパンヤの違いが、べたつきに関係があるような気がします。
このべたつき具合が、紙によって良し悪しがあるようで、お習字等に使う、紙、手漉きの紙や宣紙には
良いし、逆に羊皮紙や加工紙などにはあまりべたつかない日本の印肉のほうがよいようです。

さて篆刻にはほとんどの方が中国製の印泥を使っておられると思いますが。
印泥にも色々、種類があります。メーカーによっても違いますし、朱砂が天然鉱物である以上
良し悪しが有ります。
上海西冷印社製のものが多くをしめております。日本に入ってくる商品は輸出用に大量
生産された物です。日本製に比べると同じ質の物ならば安価です。
安価なものが天然の朱を使っているかどうか私には解りませんが良い物と比べますと
質が落ちたりしますが、初心の方や、そんなに質にこだわらない人には十分使えます。
下に代表的な、物を上げます。日本製は事務用のものです。写真ではわかりずらいですが、・・・

光明(こうみょう)

美麗(びれい)

日本製黄口

日本製赤口
価格は印泥や印肉は、だいたいが目方、重さで表示されております。中国製は一両装、二両装とか
表示されております。一両装が30gです。
日本製の場合も重さなのですが、器の大きさで,号数で表示されている場合が多いです。
中国製は陶器、日本製はプラスチックの器に入っております。
だいたい光明、美麗の場合一両装で¥1,000から¥2,000の間で販売されているようです。
価格と重量をたしかめないと、半両装(15g)というのもありますから、気をつけてください。
また、質の良い高価な物は、比重が重いので、量的には安価なものと比べると少ないです。
二両装で、光明の一両装と同じくらいの量のものも有ります。
まだ、質の話などしたいのですが、長くなってきましたので、次回に続くということにします。
トップへ戻る MENU